こういう時に限ってどうして…
おいらには80になりなんとする爺さまと70になりなんとする婆さまがいる。
それが認知症老人の老々介護をしている訳だが、
その老人の家に住まわせてもらっているお陰様で福祉にはかかれない。
老人は…彼女は若い時には一国一城の主だった。
うちの爺さま、婆さまと違って甲斐性ってものがあって、
男並に世間を渡ってきた。
それが今はみる影もなくぼけちまって…
爺さまと婆さまが外に働きに出るのがむずかしいくらい、
やばくなってきたらしい。
どこぞに預けるような金はない。
婆さまが…おいらの母がたまらず倒れた。
ここ数日おいらは向こうで別の意味の老々介護に従事してきた。
おいらの体も限界だ。
もともと乾いた粘土のようにぼろぼろっといく体だ、そろそろ
引き上げないときっとかあさんの二の舞になる。
そうしたら、あのぼけたおばばと甲斐性無しの父と、
おいらの旦那と誰が面倒を見てくれるんだ…
ごめんよ、かあさん。
甲斐性のない娘もって苦労させちまって…
きっと、きっとどうにかするから。
待ってて。
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